チームジャージを品評したいじゃない2020

01/19

今年もやります海外自転車ロードレースの各チームの新ジャージに自由(勝手)に賞をあげてあれこれ言う企画、ツアーダウンアンダーのお供にお楽しみください。

業界の大きな動きとしてはカチューシャ・アルペシンの分解とNTTのディメンションデータ買収によるNTTデータの誕生。カチューシャはイスラエル・サイクリングアカデミー(以降ICA)と契約、アルペシンはファンデルポールを擁するコレンドンサーカスと契約した。

さてさて、各チームのプロモーション活動の意識の高まりとともにジャージのデザインにも力が入ってきている。そんなチームのジャージをご紹介。今年のノミネートはこれだ!

【ものすごくWolfpackで賞】

「選手一人一人が強いから協力して勝てるやつがいけ」というWolfpackの精神が、選手のモチベーションを高めるのが強さの秘訣らしいドゥクーニック・クイックステップ。Wolfpackの名前も年々周知されてきている。
一瞬ガンダムを彷彿とさせる今年のジャージデザインも、よくみるとものすごくWolfpackなのだ。

まず、両脇の下に入った青い線はWolfpackのウルフマークの顎の線だと気づけば、上半身に白い大きなウルフマークが見えてくる。次に下半身も股間のラインを顎の線として見ると、上の青から白への切り替わる線がウルフの耳に見えてくる。下半身にも大きな青いウルフマークがあるじゃないか。そう思ってみると愛らしく見えてくる・・・かな?

【今年は本気おしゃで賞】

いろいろ頑張ってるけどおしゃれチームになりきれないバーレーン・メリダ。今年はスポーツカーのマクラーレンがパートナーになってブランディングにテコ入れが入った。
ジャージはイギリスはウェールズ出身の元選手ヤント・バーカーの自転車アパレルブランド「Le Col」が手がけている。ブラッドリー・ウィギンスも「Le Col」で自分でデザインしたチームジャージを作っている。バーレーン・メリダの頃のデザインを鑑みてもバーレーン王子はよほどのウィギンス好きなんだろうか。

赤はバーレーン、オレンジはマクラーレン、それがストライプで交わっていく繊細な上半身のデザインを下半身の黒で引き締める。黒の大胆な斜めのカッティングで脚長効果バッチリだ。シンプルになったロゴやチーム名を黒にして、周りのカラーを前面に出している。カッティングの角度がロゴの角度に由来していたり、そこここのあしらいにこだわりがある。
袖口の青のあしらいが靴下の青と呼応して強く出てるのが自分的には残念。自転車のあしらいのようにちょっと隠れたところに使って欲しかったな。

【自然界ではエマージェンシーカラーで賞】

今年のEFはいいですね。振り切った感あります。昨年のダイダイ染めのような模様に、EFエデュケーションのうずまき模様をイメージさせるぐるぐるが追加。そのままではなく、少しずつそれを上下にずらしているのがまた複雑さと毒々しさを醸し出す。まず自然界に存在したら触れてはいけない類いの模様だ。

昨年のダイダイがありきたりなグラデーションからの逸脱だとしたら、今回はよりEFのデザインの核にアプローチしているように見える。

【カチューシャよ永遠にで賞】

ICAはその名にカチューシャがないことから実質チームとしては消滅。新ジャージを見てもカチューシャのあの赤はもうない。カチューシャのサイクリングアパレルブランドは残り、ICAにウェア供給をすることになった。そしてあのカチューシャのロゴはジャージの両肩に残っている。
毎年このブログでカチューシャのジャージの変遷は追ってきたのでスルーはできない(〜2018)(2019)。徐々に赤の割合が減って水色になっていくなーと思っていたら、とうとうICAの水色になってしまった。なんてオチだ。
いつもオリジナルな世界観を作っていたカチューシャのジャージがもう見られなくなるのは寂しい。
以上〜
モビスターがグラデからドットになったりと、全体的にただのグラデーションは面白みがないという流れになっているよう。トラッドなデザインももちろん好きだけど、カチューシャのように新しい試みをして我々を楽しませて欲しいとも思う。

大規模な森林火災で開催が危ぶまれたツアーダウンアンダーも無事開催とのことで、選手たちの新鮮なジャージ姿を見るのが楽しみだ。

written by C.K