ツールドフランス2016 二週目

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二週目も目を疑う瞬間がほぼ毎日...!
スペースダウンヒルだっけ、重力を感じさせないフルームのダウンヒルによる逃げからフルームマイヨジョーヌの時代が今年もやってきた。

でも、今年のフルームは違う。
スプリンターステージでフルームは維持するだけかなと思ったら、サガンの飛び出しに乗って最後の30kmを逃げる逃げる。サガン、フルーム、ボドナール、ゲラントトーマスのスカイ・ティンコフ連合軍、こんな逃げ集団ありなの!?
サガンが「俺たちならやれる、いこうぜ!」ってもう、主役級しか言えないセリフだよ。
そして誰も追いつくことは出来ず、フルームは得点をさらに上げる…。

フルーム

やっぱり出てきたフルーム。後はキンタナからマイヨジョーヌを守るだけかと思ったらまさかの、強風での短縮ゴールのモン・ヴァントゥでファン大興奮からのモト急停止からのクラッシュ。バイクを大破して走るフルーム、ニュートラルバイクも合わず結局タイムを大きく失う。しかし、救済措置を取られマイヨジョーヌは維持した。
フルームは王者としてのふるまいを常に自分に律している。さらに今年は守られるだけじゃなく、観客を熱狂させるスペクタクルな闘志をいくつも見せてくれた。誰もが満足させられる納得のマイヨジョーヌ。素晴らしい選手だ。

サガン

今年のサガンはすっかり物語の勇者のごとく間違いなくかっこいい。
山を登りマイカをちょっと助け、フルームを誘い高速で逃げ切り、クリストフにハンドルを投げ出してリム差で勝利。表彰台でフルームとすれ違い様の笑顔を交わす姿、ステージをとった後に報道陣に囲まれながらクールダウンする姿。どの瞬間も常に主役だ。

マイカ

モン・ヴァントゥでの勝利でロットソウダルのデヘントの山岳賞は間違いないのかと思ったところ、続いての山岳ステージでうまく逃げれず失速。勢いづいたマイカが冷静に山岳ポイントを取り返していく。15ステージでは山岳賞、敢闘賞、そしてステージも取るかと思われたがイアムのパンタノの激下りで追いつかれた。
あの下り坂で85kmだもん、あっぱれ。
マイカの笑顔がやっと見れたからとても嬉しい。ほんとはウィンクが見たい。

モレマ

昨年の宇都宮ジャパンカップの本ステージで目前勝利したモレマが、ツールの舞台でもいいところに来ているのだ。山岳もTTも上位。ただ周りが華々しくて見落としてしまうのだけど。その負けん気でどこまでいくのか楽しみだ。

トニマル&アラフィリップ

前日のクイーンステージではメカトラに見舞われ、素晴らしい走りだったのに勝利できなかったアラフィリップ。こらえきれない悔し涙の翌日、トニマルの追随を許さない引きで長い二人旅。逃げ集団作ればいいのに速すぎて二人旅。そんなに悔しかったんだね、アラフィリップ。
二人は仲良く敢闘賞。ナイスガッツ。
そんなアラフィリップ、きみの時代は必ず来るよ。

キンタナ&師匠

モン・ヴァントゥでの遅れから何もしないキンタナ。調子悪いのは間違いないようだが、師匠に守られて気がつけば4位(師匠はちゃっかり5位)。最終週で必ず出てくる。師匠もキンタナのコンディションに合った動きを見せるだろう。

うわーもうクライマックスだ!

written by C.K